【新作短編映画】
神戸電鉄沿線の消えた在日朝鮮人集落の謎
(神戸市長田区源平町)
~数十年ぶりにつげ義春『李さん一家』にような生活を求めて訪れたところ
・・・・


神戸市長田区檜川町から、
住宅地を東に上り詰めた
たりに神戸電鉄が走ってお
り、その昔、電鉄線路をくぐ
る小さなトンネルがあり、その向こう側が在日朝鮮人の
集落になっていた。

トンネルは2本あり、どちらも線路の山手、
すなわち東側一帯が朝鮮人部落になっていた。
そのうちの1本、北側のトンネルを訪ねてみる。
数十年ぶりに来てみると、トンネルはふさがれていた。
朝鮮人部落は消滅したのだろうか?
私たち探検隊は、トンネルの横に上る階段を上がってみた。
しかし、そこからは朝鮮人部落へは行けそうになかった。


かつて見た朝鮮人部落は、広大な
山地を開拓して、畑もあり緑豊かな
斜面に多くの建屋が建て並び、
一大集落を形成していた。
そこは、まるでトンネルの手前側の
現代風な住宅地とは趣を異にする
異界であった。

私は、子供心にまるで外国へ来た
かのような感慨を味わったものだ。
そこに住む人たちは、塀や壁で隔て
られた日本人の生活とは違い、まる
で部落全体が一つの家族のような
趣で、昔は日本もこのようだったの
だという、かつての共同体に対する
ある種の郷愁
のようなを感じさせた。


後に、Google航空地図で、
その集落が現在どうなっているのか覗いてみた。
しかしそこにはもはや現在、建屋などは見られず
宅地造成地のような赤土の帯が見られただけだった。


そこではかつて、つげ義春の
『李さん一家』のような生活が、
実際に営まれていたのだ。

それは、のどかで気儘で、貧しい生活であったが、
どこか懐かしい郷愁に
満ち溢れた光景であった。

『近所の景色』と同じ立ち退きの運命をこの部落もたどったのだろう。

私たち探検隊は、朝鮮人部落訪問を
あきらめ、その手前の檜川町を散策す
ることにした。


かつて見た朝鮮人集落ほどではないに
せよ、かなりインパクトのある光景が広がる。
神戸でも、この丸山地区というところは、
急峻な谷を切り開いて築かれたかつての
ベッドタウンの走りのような場所で
複雑な地形は、外から見ただけでは
想像のつかない風景を含有して
はばからなかった。

ちなみに、この道も行き止まりで、
朝鮮部落へはたどり着けなかった。
廃屋か?

そこには、想像もつかないような場所で
暮らす人たちの痕跡が残されていた。
消えた朝鮮人たちは、いったい
どこへ行ってしまったのだろう?
それは、猫に聞いても
わかるはずもなかった。

監督秋蛇星


曲「夕刻のアクチュアリティ 」
3分10秒 2018.07 二胡/ソプラノ/コーラス/ベース/パーカッション



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丸山。檜川町から朝鮮人部落へ・・・

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かつての朝鮮人部落は、檜川町の山すその神戸電鉄を越した山地にあった。
かつて、不法占拠して住み着いたものだろう。
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朝鮮人部落への入り口は、完全にふさがれ塗り固められていた。
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私たち探検隊は、朝鮮人部落へは行けず、源平町のある一角に戻ってきた。




【おぉたむすねィく探検隊 精神分析研究班】
猫と未来、日本人の精神構造を考える会 特別斑 野良猫観察隊